骨軟部肉腫において化学療法抵抗例や遠隔転移例は予後不良であり、新規の治療法として免疫療法が注目されている。しかし、骨肉腫は免疫療法に反応が乏しく、いかに免疫応答効果を増強するかが検討されている。我々が開発した腫瘍融解アデノウイルスOBP-702を用い、OBP-702と抗PD-1抗体との併用療法の治療効果を検討した。まずは骨肉腫細胞株にOBP-702を感染させるとPD-L1, PD-L2の発現が増加し、免疫療法に有利な環境を形成していた。続いて、高肺転移株を作成し、サイトカインを調べた結果、OBP-702により転移が抑制される可能性を認めた。今後、マウスによる治療実験を行う予定である。
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