申請者は放射線が生存したがん細胞のエネルギー代謝を亢進することに加え、中性アミノ酸量を増加させることを明らかにしていたことから、中性アミノ酸代謝を標的としたがん放射線療法の可能ではないかと推測した。そこで、本研究では中性アミノ酸の細胞内への取込みに働くL-type amino acid transporter 1 (LAT1)の特異的阻害剤JPH203が放射線増感効果を引き起こせるかどうか検討した。その結果、JPH203が複数のがん細胞株で放射線感受性を増強した。また、その増感メカニズムにはmTORシグナル減弱を介した細胞老化の誘導が寄与すること明らかにした。
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