研究実績の概要 |
本講座で確立したIn vitro膵癌ー神経細胞共培養モデルを用いて、神経親和性のあるヒト膵癌細胞株(MIA paca2)と対照の膵癌細胞株(PANC-1)の遺伝子発現の網羅的解析(RNA-sequencing)を施行した。その解析の結果、神経細胞の刺激を受けたMIA paca2で高発現しているAxon guidance pathwayの分子の一つであるEphrin receptor A4 (EPHA4)に着目した。EPHA4がMIA Paca2にPANC-1に比べて高発現していることをRT-PCR及びWestern blottingでmRNA及び蛋白レベルで確認した。MIA Paca2内のEPHA4をノックダウンするとMIA paca2の持つ神経親和性がキャンセルされることを実証した。以上から、EPHA4が高頻度で起きる膵癌の特性の一つである神経周囲浸潤に関連があるのではないかと考察した。 この結果を元に、複数回の全国学会の発表及び論文報告を行った。(Furuhashi S., et al.Ephrin Receptor A4 Expression Enhances Migration, Invasion and Neurotropism in Pancreatic Ductal Adenocarcinoma Cells. Anticancer Res, 41(4), 1733-1744. 2021.)
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