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2020 年度 実施状況報告書

腸腫瘍におけるArid1aの機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 20K22841
研究機関京都大学

研究代表者

林 由紀子 (平松由紀子)  京都大学, 医学研究科, 医員 (60876184)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワード大腸癌 / エピジェネティクス / Arid1a
研究実績の概要

本研究では、申請者らのこれまでの一連の成果、及び上記背景を踏まえ、Conventional & Alternative 経路での腸腫瘍発生におけるArid1aの機能的役割とその分子機構を明らかにすることを目的としている。
① Conventional & Alternative 経路のマウス腸腫瘍におけるArid1aの機能解析 :Conventional 経路及び、Alternative 経路の腸腫瘍におけるArid1aの機能解析を行うために、それぞれの経路におけるArid1aを腸特異的、または腫瘍幹細胞特異的にノックアウトした腫瘍モデルマウスを作成し、腸腫瘍形成・維持におけるArid1aの機能解析を行った結果、Conventional経路、Alternative経路それぞれにおいてArid1aが異なる役割を果たしていることを示唆する実験結果を得ている。
② マウス腸腫瘍発生におけるArid1aの分子制御機構の解明 :網羅的遺伝子発現解析・ChIP解析の実験結果から、それぞれの腸腫瘍経路におけるArid1aのエピジェネティックな分子制御機構の中心となるPathwayを示す結果を得ている。
③ マウス腸腫瘍オルガノイドを用いた薬剤感受性試験 :マウス腸腫瘍オルガノイドを用いて、卵巣がんなどでArid1aとの合成致死性が報告されている薬剤感受性試験を行った結果、特定の薬剤を使用した場合にマウス腸腫瘍オルガノイドの増殖能の低下を示す結果を得ている。
ノックアウトマウスから得られた知見に基づき、腸腫瘍におけるArid1aの機能的役割の解明に迫る。さらに網羅的遺伝子発現解析・ChIP-Seq解析により、Arid1aがクロマチン制御によって腫瘍形成に働く分子制御機構までも明らかにし、腸腫瘍オルガノイドを用いた薬剤感受性試験から、ヒト腸腫瘍に対する新規治療戦略につながる可能性が期待される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

① Conventional & Alternative 経路のマウス腸腫瘍におけるArid1aの機能解析 :Conventional 経路及び、Alternative 経路の腸腫瘍におけるArid1aの機能解析を行うために、それぞれの経路におけるArid1aを腸特異的、または腫瘍幹細胞特異的にノックアウトした腫瘍モデルマウスを作成し、腸腫瘍形成・維持におけるArid1aの機能解析を行った結果、Conventional経路、Alternative経路それぞれにおいてArid1aが異なる役割を果たしていることを示唆する実験結果を得ている。
② マウス腸腫瘍発生におけるArid1aの分子制御機構の解明 :網羅的遺伝子発現解析・ChIP解析の実験結果から、それぞれの腸腫瘍経路におけるArid1aのエピジェネティックな分子制御機構の中心となるPathwayを示す結果を得ている。
③ マウス腸腫瘍オルガノイドを用いた薬剤感受性試験 :マウス腸腫瘍オルガノイドを用いて、卵巣がんなどでArid1aとの合成致死性が報告されている薬剤感受性試験を行った結果、特定の薬剤を使用した場合にマウス腸腫瘍オルガノイドの増殖能の低下を示す結果を得ている。
④ ヒト腸腫瘍におけるARID1Aの発現解析 :ヒト腸腫瘍におけるARID1Aの発現解析を行うために、ヒト腸腫瘍由来オルガノイドの樹立を継続中である。

今後の研究の推進方策

① Conventional & Alternative 経路のマウス腸腫瘍におけるArid1aの機能解析 :Conventional 経路及び、Alternative それぞれの経路におけるArid1aを腸特異的、または腫瘍幹細胞特異的にノックアウトした腫瘍モデルマウスの機能解析を継続する。
② マウス腸腫瘍発生におけるArid1aの分子制御機構の解明 :網羅的遺伝子発現解析・ChIP解析の結果から得られたエピジェネティックな分子制御機構の中心となる候補遺伝子を同定し、更なる機能解析を行う。
③ マウス腸腫瘍オルガノイドを用いた薬剤感受性試験 :マウス腸腫瘍オルガノイドを用いて、Arid1aとの合成致死性が報告されている他の薬剤の感受性試験を行う。
④ ヒト腸腫瘍におけるARID1Aの発現解析 :樹立したヒト腸腫瘍由来オルガノイドを用いて、マウスモデルで得られた候補遺伝子に関する機能解析を行う。

次年度使用額が生じた理由

当初の実験計画からの遅滞に伴い、該当実験を翌年度に遂行するために必要な経費を翌年度に繰越としたため

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Visualization of stem cell activity in pancreatic cancer expansion by direct lineage tracing with live imaging2021

    • 著者名/発表者名
      Maruno Takahisa、Fukuda Akihisa、Goto Norihiro、Tsuda Motoyuki、Ikuta Kozo、Hiramatsu Yukiko、Ogawa Satoshi、Nakanishi Yuki、Yamaga Yuichi、Yoshioka Takuto、Takaori Kyoichi、Uemoto Shinji、Saur Dieter、Chiba Tsutomu、Seno Hiroshi
    • 雑誌名

      eLife

      巻: 10 ページ: 1,24

    • DOI

      10.7554/eLife.55117

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 小腸におけるArid1aの機能的役割2020

    • 著者名/発表者名
      平松由紀子
    • 学会等名
      日本消化器病学会

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公開日: 2021-12-27  

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