HOXB9は上皮間葉転換および血管新生誘導により乳癌進展に寄与することが知られる。新たに発見したHOXB9スプライスバリアントについて、乳癌細胞株および乳癌臨床検体に同バリアントが広く発現している一方、正常乳腺では発現が認められないことをこれまでに確認しており、今回、その乳癌における役割を解明することを目的とし研究を行った。結果、HOXB9スプライスバリアントは乳癌において、アポトーシスを抑制することにより細胞増殖に寄与し、なかでも外因性経路に関わっていると考えられた。また、HOX阻害薬の効果から、DNA結合部を欠く同バリアントにおいては補因子を含めた下流の反応も異なっていることが示唆された。
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