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2021 年度 実績報告書

人工白血球幹細胞を用いた新規T細胞免疫療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K22857
研究機関東京理科大学

研究代表者

重廣 司  東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 助教 (30876058)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワードT細胞免疫療法 / 人工白血球幹細胞 / がん免疫療法 / T細胞受容体 / キメラ抗原受容体
研究実績の概要

本研究では、種々の白血球への多分化能と自己複製能を有する人工白血球幹(induced Leukocyte stem; iLS)細胞を用いることによって、T細胞受容体(TCR)もしくはキメラ抗原受容体(CAR)を遺伝子導入したがん免疫治療用T細胞を大量に作製する事を目的とした。iLS細胞は造血幹前駆細胞(HSPC)に、ID3を強制発現させ、B細胞への分化に必須の転写因子であるE2Aの機能を抑制させつつ、B細胞分化条件下で培養することによって、作製および維持される。本研究では、分化と自己複製を自在に制御するために、ID3と改変タモキシフェン受容体ERT2を融合させたID3-ERT2を導入するiLS細胞を作製した。さらに、オバアルブミン特異的OTI-TCRおよびCD19特異的CAR(CD19-CAR)遺伝子をiLS細胞への導入し、TCR/CAR遺伝子導入iLS細胞を安定に増幅することに成功した。そして、このがん特異的受容体遺伝子導入iLS細胞は1ヶ月間の増幅で数百億倍にも増幅することが認められた。次に、これらのiLS細胞に対して、T細胞への分化誘導を試み、CD8陽性T細胞を産生することに成功した。作製したOTI-TCR遺伝子導入iLS細胞由来のCD8陽性T細胞は抗原特異的なサイトカイン産生と細胞障害性を有し、顕著な抗がん活性を有することを明らかにした。一方で、近年、CAR免疫細胞療法はT細胞のみならず、NK細胞やマクロファージを用いた場合でも有効であることが明らかになっていいる。そこで、CD19-CAR iLS細胞をNK細胞やマクロファージへの誘導を試みると効率的にこれらの免疫細胞へと分化することが確認された。すなわち、iLS細胞はT細胞のみならず、さまざまながん治療用CAR免疫細胞療法の供給源としても有望であることが示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] FUT8-mediated Aberrant <i>N</i>-glycosylation of B7H3 Suppresses Antitumor Immunity in Triple-negative Breast Cancer2022

    • 著者名/発表者名
      Shigehiro Tsukasa
    • 雑誌名

      Trends in Glycoscience and Glycotechnology

      巻: 34 ページ: E39~E40

    • DOI

      10.4052/tigg.2202.6E

  • [学会発表] 人工白血球幹(iLS)細胞を用いた、TCF3融合型B細胞性急性リンパ性白血病の発症機序の解明2021

    • 著者名/発表者名
      鈴木藍彩、重廣司、伊川友活
    • 学会等名
      Kyoto T Cell Conference 第30回学術集会
  • [学会発表] 人工白血球幹(iLS)細胞を用いたTCF3融合遺伝子陽性B-ALL発症モデルの確立2021

    • 著者名/発表者名
      重廣司、鈴木藍彩、Gu Fangbing、平川真弓、高木正稔、犬飼岳史、伊川友活
    • 学会等名
      第83回日本血液学会

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公開日: 2024-12-25  

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