研究課題
血管内カテーテル治療における標的血管へのカテーテル挿入難易度判定のAI開発を目的として、2020年度に1名のIVR専門医による腹腔動脈から総肝動脈へのCTのVRデータを用いた視認性難易度評価試験結果を教師データとしたResNetー50を用いたAI解析を行った。元VR画像ではAIが血管難易度に関連する領域を認識しないことがわかったため、難易度に関連しない血管を除去した修正VR画像にて同様な解析を行った。その結果、困難例とそれ以外の2群に分けた場合には、Overall accuracy は、89.05%と比較的良好であることを確認している。2021年度には、客観的な難易度を教師データとするため3名のIVR専門医による視認性評価試験を元に同様なAI解析を行い、カテーテル挿入困難例と非困難例の2群を弁別するoverall accuracy は60%以上を示し、非困難群を選び出すprecision(適合率)は80%を超えた。また、判断根拠を可視化するためocclusion sensitivity技術を用い、CT-VR像のどの部位が難易度を左右するかの画像解析を進めている。今後は、上記に加えて、物体検出技術も用い、VR画像からAI認識が行えるCNNをもつニューラルネットワーク作成を目指している。 また、CT等の画像データのみではAIに与える難易度の教師データとしては正確性という観点からは不十分であり、将来的にはCTデータを元にした多数の血管模型を3Dプリンターで作成し、多数の医師が術者となり、同一の血管モデルに対して、複数のカテーテルを用いたカテーテライゼー ション実験を行い難易度(成否と手技時間による)を明らかにし、その結果を教師データとしてAIに与えることで、臨床応用が可能なAI開発を目指している。
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北海道放射線医学雑誌
巻: 2 ページ: 26-28