炎症性腸疾患(IBD)は一旦「寛解」するも「完治」はせず、再燃するため罹病期間が長期となる難病です。寛解時でも腺管のねじれなど腸管上皮細胞は完全に正常化しておらず、脆弱性による潰瘍再発は以前より指摘されていますがその原因は不明です。本研究においてモデルを構築し、炎症モデルにおける網羅的遺伝子発現解析から特異的因子を同定しました。これらの因子を欠損させると炎症刺激下においても細胞増殖を認めるなど炎症脆弱性のリセットに成功しました。潰瘍性大腸炎患者においてもその因子の発現を確認したことから新規治療標的であることが示唆されました。
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