研究課題/領域番号 |
20K22876
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
北田 研人 香川大学, 医学部, 助教 (30882493)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | 筋委縮 / 単核貪食細胞 / TonEBP / 塩 / 体液 / 老化 / 健康寿命 |
研究実績の概要 |
加齢や生活習慣病に伴う筋委縮は、生活の質(QOL)および健康寿命の低下に直結するが、その発症・進展機序の詳細は明らかにされておらず、予防・治療法も存在しない。我々は、様々な生活習慣病のリスク因子である高食塩摂取が、筋肉の異化反応(カタボリズム)を亢進し、筋肉量の低下を引き起こすことを発見した。しかしながら、高食塩摂取に伴う筋肉量減少メカニズムは不明である。本研究では、免疫細胞である単核貪食細胞に焦点を当て、高食塩摂取に伴う筋肉量減少メカニズムを解明し、加齢や生活習慣病に伴う筋委縮機序の一端を明らかにすることを目的としている。2020年度までの研究により、マウスの単核貪食細胞の特定の遺伝子を欠損させることで、高食塩負荷に伴う筋萎縮を予防できること、また、培養単核貪食細胞を用いた実験により、食塩負荷による筋肉現象メカニズムの詳細な分子メカニズムの解明も開始している。予備実験により、筋肉の代謝変化に伴い体内のエネルギーバランスにも影響が生じ、血圧・心拍数・腎交感神経活動にも変化が生じる可能性も見出している。なお、本研究計画の背景・予備検討に用いた研究成果は、Acta Physiologica誌に論文を掲載した(2021年)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
単核貪食細胞特異的遺伝子欠損マウスの作製および実験が完了し、免疫細胞の特定の因子が食塩負荷時の筋肉量制御に関与していることを解明した。また、培養細胞を用いた実験により、IGF-1など筋肉量を制御するいくつかの成長因子が、高食塩負荷に伴う筋萎縮に関与する実験結果も得られており、本研究課題は順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
順調に本研究が進展しているため、引き続き単核貪食細胞特異的遺伝子改変マウス、培養細胞を用いた実験を継続し、高食塩負荷がどのように単核貪食細胞を介して筋肉量を減少させるのか、その詳細なメカニズムを解明し、本研究計画の目標を達成させる。さらに、筋肉の代謝変化に伴い、血圧・心拍数・腎交感神経活動にも影響が生じるかについても検討していく。
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