研究課題/領域番号 |
20K22879
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
野妻 智嗣 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (40884052)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | T細胞受容体レパトア解析 / HTLV-1 / HTLV-1関連脊髄症 |
研究実績の概要 |
HTLV-1関連脊髄症 (HAM) 患者の末梢血単核球 (PBMC) から抗CD4抗体、抗CADM1抗体を用いてHTLV-1感染細胞 (CD4+CADM1+) と非感染細胞 (CD4+CADM1-) を分離した。分離した感染細胞と非感染細胞からRNAを抽出し、分子バーコードを用いた方法 (5’RACE + unique molecular identifier法) を使用し、T細胞受容体 (TCR) レパトア解析のためのライブラリを作成した。次世代シークエンサー (Miseq) を用いてシークエンスを行った後にバイオインフォマティスによる解析を行い、TCRレパトア解析が可能となるパイプラインを確立した。 現在まで6人のHAM患者からTCRレパトア解析を行い、非感染細胞と比較して感染細胞で有意にクローン増殖の割合が高いこと、感染細胞の割合とクローン増殖の割合に有意な正の相関があることを同定した。また2人のHAM患者で1年毎に採取されたPBMCから縦断的なTCRレパトア解析を行い、増殖しているTCRクローン型が個々の患者で保持されていることが判明した。これらの結果からHTLV-1感染細胞において増殖しているTCRクローン型を同定することが可能となった。この増殖しているTCRクローン型が臨床経過や治療前後で増減・消失しているかを追跡することで、モニタリングの指標となるバイオマーカーへの応用が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
HAM患者からの横断的なTCRレパトア解析は行うことができた。今後は縦断的な解析を数例追加し、ほかHTLV-1キャリアのTCRレパトア解析を行う予定である。またHAM患者の髄液細胞を用いた解析も準備している。
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今後の研究の推進方策 |
検体は収集されており、順次解析を行っていく。TCRレパトア解析のためのバイオインフォマティクスの進歩が進んでおり、当研究の目的に合致する解析を検討する。
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