研究課題
本研究の目的は、患者自身に実際の診療内容を問うことで、医師の標準診療の遵守状況を客観的に評価できるPX(Patient Experience)という手法を、標準診療の遵守率が特に低い心不全領域で初めて取り入れ、現場医師のより自発的な行動変容を促す手法を提案することであった。最終年度である本年度は、心不全の標準診療の遵守状況の検証と、その行動変容につなげるためのシステム構築に尽力した。WET心不全レジストリを使用し、EFが低下した心不全(heart failure with reduced ejection fraction: HFrEF)に対して、心不全標準治療薬(RAS阻害薬、β遮断薬、MRA)が十分導入されていないこと(3剤とも導入されている患者は30%程度)を明らかにした [Shoji et al. IJC 2022]。また、実際の心不全の日常臨床では、高齢者や腎機能障害患者等、エビデンスが乏しく至適薬物療法の投与に迷う場面に現実として多く遭遇する。これまでの診療ガイドラインではこうした診療に推奨度を設定する事が困難であったため、現場医師のより実践的な判断を後押しするために、心不全のAUC(適切性基準)を開発した [Shoji et al. ESC heart failure 2021]。さらに、患者側からの診療の質評価のアンケート紙票開発を行い、こちらを我々が運営する心不全レジストリ(WET-HFレジストリ)のプラットフォーム上に追加するためのEDCシステム構築を現在行っている。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 5件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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