研究課題
UTE 4D MRAは、短いエコー時間(Ultrashort TE:UTE)による金属アーチファクト軽減、Arterial spin labeling(ASL)法による血流方向に左右されない、複数時相撮影が可能な新たなMRA撮像法である。本研究では、UTE 4D MRAを用いて非侵襲的な動脈瘤の新たな経過観察法の確立を目指す。令和5年度は以下の研究を行った。①動脈瘤に関して、血栓化の有無評価が重要となるフローダイバーターステント留置術をはじめ、ステント併用コイル塞栓術、開頭クリッピング術後における治療前後の比較、治療後の経過観察に関してUTE 4D MRAデータを収集した。動脈瘤に対する新たな金属塞栓デバイス(Woven EndBridge)後の症例も経験したので第46回脳神経CI学会学会発表を行った。動脈瘤だけでなく、その他にも複数時相撮影が有用と考えられる動静脈奇形、硬膜動静脈瘻、もやもや病などの脳血管疾患に対してUTE 4D MRAデータを収集を行った。②ファントム実験も行った。血管模擬ファントムにフローダイバーターステントを留置し、フローダイバーターステント内腔の磁化率効果について、UTE 4D MRAと従来法であるTime-of-flight(TOF) MRAで撮影を行い比較した。ステント内腔の信号を測定し、それぞれ誤差率を計測を行った。ステントの中央部ではUTE 4D MRAでの誤差率がTOF-MRAと比べて低下することを示し、特にステントの両端はUTE 4D MRAのみで観察可能であり、UTE 4D MRAのTOF-MRAに対する優位性を示せた。以上は第51回磁気共鳴医学会で発表を行った。
3: やや遅れている
UTE 4D MRAデータ収集は順調に進行している。
学会発表した内容を再度概観し、論文雑誌に投稿していきたい。
他施設での研修を行っていたため、研究に遅延が生じていた。研究していた論文作成が遅れたため、諸経費が余剰となった。次年度ではさらに論文執筆を行い、投稿費用として使用したい。
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