研究課題/領域番号 |
20K22887
|
研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
本山 美久仁 兵庫医科大学, 医学部, 研究生(研究員) (20873615)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
キーワード | グルテン感受性 / 抗グリアジンIgG抗体 / 統合失調症 / うつ病 |
研究実績の概要 |
現在までに、統合失調症患者92名、うつ病患者19名、グルテン専門外来受診者20名、健常対照者147名からデータと血液を収集した。うつ病患者においては、グルテン関連抗体が陽性であるグルテン感受性者が47%存在し、現在背景因子などを解析中である。グルテン専門外来を受診した者のグルテン感受性についても、現在解析中である。また、健常対照群では、グルテン関連抗体の陽性者は19.2%で、抗グリアジンIgG抗体陽性率は17.1%であった。健常対照群のグルテン感受性群では、非グルテン感受性群と比較して、性別、年齢、BMI、アレルギー 歴、食事の偏りなどに有意な差はなかったが、グルテン感受性群では、過敏性腸症候群の診断基準を満たすものが多い傾向にあり、身体的QOLは有意に低かった。つまり、精神疾患のない健常者でグルテン感受性があると、消化器症状や身体症状があり、生活に影響をきたしていることを示している。これらの成果は、2021年7月の第62会日本心身医学会総会で発表予定であり、論文化も予定している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19感染拡大の影響で、患者群のリクルートが困難な期間があり、当初の予定よりは収集できている症例数が少ない。解析については順調に進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
本研究の成果の一部は、2021年7月の第62会日本心身医学会総会で発表予定である。対象症例については、2021年度も引き続き募集を行い、症例数を増やす予定である。また、グルテン感受性者の背景因子についての詳しい解析も進めていく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は、COVID-19感染拡大の影響で、予定よりも収集できた検体数が少なかったため、抗体キットの購入にかかった費用が予定よりも少額であった。発表を予定していた学会も中止や延期となったため、旅費の使用が予定よりも少額であった。2021年度も症例数を増やす予定であり、抗体キットなどの消耗品の費用の分が次年度使用額に繰越になった。また、2021年度も、学会発表を予定している。
|