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2021 年度 実施状況報告書

精神疾患におけるグルテン感受性関連解析を起点とした新規治療手段の提供

研究課題

研究課題/領域番号 20K22887
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

本山 美久仁  兵庫医科大学, 医学部, 研究生(研究員) (20873615)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2023-03-31
キーワードグルテン感受性 / 抗グリアジン抗体 / 統合失調症 / うつ病 / グルテン専門外来
研究実績の概要

2021年度は、自覚的グルテン感受性者の症状や抗体価についての検討を行った。兵庫医科大学病院グルテン専門外来を受診した20歳-70歳の自覚的グルテン感受性者と、対照群としてグルテン感受性に関連する症状の自覚のない20歳-70歳を対象とした。血液を採取し、ELISA法にて抗グリアジンIgG抗体などのグルテン関連抗体を測定した。また精神症状、身体症状を問診および自己記入式質問紙について評価した。自覚的グルテン感受性者26名のうち、グルテン関連抗体の陽性者は38%、グルテン制限を行っていたのは58%で、そのうちグルテン関連抗体の陽性者は27%であり、グルテン制限を行っていない11名では55%がグルテン関連抗体陽性であった。対照群には146名が参加し、グルテン関連抗体の陽性者は19%であった。自覚的グルテン感受性群では非自覚的グルテン感受性群に比べ、免疫学的グルテン感受性者の割合が多い結果となり、これらの結果は2022年6月の第118回日本精神神経学会学術総会にて報告予定である。
また、グルテン感受性治療抵抗性統合失調症患者にグルテンフリー食摂取を行い、統合失調症の症状が改善した症例報告が、schizophrenia researchにアクセプトされた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

COVID-19の感染拡大の影響で、患者群のリクルートが困難な期間があり、当初の予定より収集できている症例が少ない。解析については順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

本研究の成果の一部は、2022年6月の第118回日本精神神経学会学術総会で報告予定である。対象症例については引き続き募集を行い、症例数を増やす予定である。また、グルテン感受性者の背景因子についての詳細の解析も進めていくとともに、グルテンフリー食の有効性についてもさらに検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

2021年度は2020年度に引き続き、COVID-19感染拡大の影響で、予定よりも収集できた検体数が少なかったため、抗体キットの購入にかかった費用などが予定よりも少額であった。発表を予定していた学会も延期や中止となったり、検体収集のための出張も制限が生じたため、旅費の使用が予定よりも少額であった。2022年度も症例数を増やす予定であり、抗体キットなどの消耗品の費用の分が次年度に繰越になった。また、2022年度も学会発表や論文による成果報告を予定している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Efficacy of a gluten-restricted diet in treatment-resistant schizophrenia patients with immunological gluten sensitivity: A case report.2022

    • 著者名/発表者名
      1.Mikuni Motoyama, Hisashi Yamada, Kensei Maebayashi, Chiho Yoshimura, Hisato Matsunaga
    • 雑誌名

      Schizophrenia Research

      巻: 241 ページ: 68-69

    • DOI

      10.1016/j.schres.2022.01.015.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 健常成人における免疫学的グルテン感受性2021

    • 著者名/発表者名
      本山美久仁, 山田恒,前林憲誠, 吉村知穂, 松永寿人
    • 学会等名
      第34回日本総合病院精神医学会総会

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公開日: 2022-12-28  

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