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2020 年度 実施状況報告書

ミトコンドリアのエピゲノム修飾がもたらす加齢現象の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K22890
研究機関東北大学

研究代表者

松田 盛  東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (00884272)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワードミトコンドリア / 老化 / 加齢 / エピゲノム / エピジェネティクス
研究実績の概要

ミトコンドリアは独自のゲノムであるミトコンドリアDNA (mtDNA)を有し、呼吸鎖複合体の構造遺伝子およびそれらの翻訳に必要なtRNA遺伝子やrRNA遺伝子をコードする。mtDNA異常は呼吸鎖複合体の遺伝子発現を障害し、様々な疾患の発症につながる。特に老化においては、mtDNAの変異が加齢に伴う個体機能低下と強く相関しており、老化制御に向けてmtDNA変異の分子機構の解明が重要な課題である。近年、メチル化修飾などこれまで核DNAで見いだされてきたエピジェネティクス修飾がmtDNAにも発見され、ミトコンドリアエピジェネティクス(ミトエピゲノム)の存在が明らかになりつつあり、ミトエピゲノムの変容がミトコンドリアでの遺伝子発現を調節し、代謝機能の低下といった老化現象につながる可能性が高い。本研究では、申請者が開発した超高純度ミトコンドリア精製法を基盤に、加齢に伴うミトエピゲノム変化と代謝への影響を明らかにし、個体老化におけるミトエピゲノムの意義の解明を目的とした。初年度は超加齢マウス(~24ヶ月齢)のマウス臓器サンプル(肝臓・腎臓・骨格筋・心臓)を採取し、mtDNAの転写-複製に関連するタンパク質、TFAM、POLRMT、TFB2M、TWINKLE、POLG1、POLG2について遺伝子発現量の比較を行った。6週齢マウスと比較して、超加齢マウスではこれらの遺伝子発現の低下が観察された。これより、超加齢マウスにおいてmtDNA複製とミトコンドリア機能の低下が起きていることが推察された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究にはミトコンドリアを高純度に精製することが要であるが、臓器ごとの高純度ミトコンドリア精製法の確立が不十分であり、試料調製条件のチューニングが必要であったため。

今後の研究の推進方策

初年度の結果より、超加齢マウスにおいてはmtDNAの転写・複製の低下が起きている可能性が示唆された。よってmtDNA複製機能とミトエピゲノムの関連に注目し、超高齢マウスにおいて増加している修飾塩基を探索する。具体的には若齢から老齢まで各ライフステージのマウス臓器から超高純度mtDNAを精製し、質量分析と次世代シーケンスを用いてmtDNAのメチル化シトシンとメチル化アデニンを解析し、ミトエピゲノム状態と加齢の変化を明らかにする。また、それ以外のミトエピゲノム修飾の可能性を考慮し、non-target質量分析手法を用いて探索を行う。さらに、修飾責任酵素の同定を試みる。

次年度使用額が生じた理由

使用機器が想定よりも安価で入手できたためと、研究計画にやや遅れが生じたため翌年度予算として計上した。繰越分については、当初の計画の通りに使用予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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