一細胞RNA-seq解析により、褐色化した血管周囲脂肪組織(PVAT)由来の抗炎症アディポカインとして、ニューレグリン4(NRG4)を同定した。NRG4は、ErbB受容体チロシンキナーゼを介して作用するNRGタンパク質ファミリーの一員である。最近の研究では、マクロファージ、樹状細胞、好中球などの自然免疫細胞にErbB受容体が発現しており、NRG4-ErbB4経路は、炎症型マクロファージのアポトーシスを促進することが報告されている。我々は、Nrg4をノックダウンすることで、褐色化PVATによるマクロファージの抗炎症型への分極作用が消失し、褐色化PVATの血管傷害に対する抗炎症作用がキャンセルされることを確認した。さらに本研究では、傷害を受けたヒト大動脈でもPVATの褐色化という現象が起きていることを捉えることが出来た。
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