研究課題
研究活動スタート支援
血管の周囲には血管周囲脂肪組織が存在していることが知られているが、血管周囲脂肪組織の血管リモデリングへの直接的な作用は十分に分かっていない。今回の研究により、血管傷害後の血管周囲脂肪組織で褐色化という現象が起こり、褐色化した血管周囲脂肪組織はニューレグリン4の分泌を介してマクロファージを抗炎症型へ分極させることで過剰な炎症を抑制し、病的な血管リモデリングを抑制していることが分かった。これらの知見は、動脈硬化の新たな治療標的を明らかにするものである。
血管生物学
今回の研究によって、生体に備わっているストレス応答機構としての血管周囲脂肪の褐色化という現象を見出すことができた。褐色化した血管周囲脂肪組織は抗炎症アディポカインの分泌を介して血管炎症を鎮静化させ、病的な血管リモデリングを抑制している。この内因性のストレス応答機構を外部から賦活化することで、新たな動脈硬化治療法に繋がる可能性を示すことができた。