本研究は、原因不明の末期腎不全症例の原因および病態解明を目指したものである。1)原因不明の末期腎不全症例に遺伝性腎疾患が多数存在する可能性があること、2)腎発生に必須の転写因子であるPAX2遺伝子により制御される遺伝子群が、遺伝性腎疾患の原因遺伝子となりうる可能性があること、に着目した。 PAX2遺伝子変異を有する腎コロボーマ症候群患者より疾患特異的iPS細胞を樹立し、CAGEによる網羅的トランスクリプトーム解析を行うことにより、ヒト腎発生過程におけるPAX2制御遺伝子を同定した。これらの知見は、遺伝性腎疾患の新規原因遺伝子の同定に有用な知見である。
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