研究課題/領域番号 |
20K22908
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
小豆島 健護 横浜市立大学, 医学部, 助教 (00760381)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | 高血圧 / 皮膚組織 / レニン-アンジオテンシン系 / ナトリウム / ATRAP |
研究実績の概要 |
高血圧症は脳心血管病発症の最大のリスク因子であるが,その病態生理はいまだ十分に解明されていない.本研究では,「皮膚組織レニン-アンジオテンシン系(RAS)が血圧・体液・電解質バランスの調節に寄与し,高血圧症の発症・進展に関わっている」との仮説を検証するため,1型アンジオテンシンII受容体(AT1受容体)情報伝達系の内在性抑制因子であるATRAP(AT1 receptor-associated protein)に着目し,病態モデル動物,皮膚組織特異的ATRAP発現制御動物(皮膚組織特異的RAS活性制御動物),ヒト皮膚組織を用いて,高血圧症における皮膚組織RASの病態生理学的意義の解明することを目的に行われた. C57BL/6マウスと比較してRAS感受性が亢進しているとされる129/Svマウスでは,アンジオテンシンⅡ(AngⅡ)負荷による血圧上昇率がC57BL/6の約2倍であった.また,灰化-炎光光度法により測定した皮膚ナトリウム量は,C57BL/6マウスと比較して129/Svマウスで増加傾向にあった.本結果は,皮膚組織RASと高血圧の関連性を示唆するものである. 皮膚組織特異的ATRAP発現変動動物に関しては,Cre-loxPシステムを用いてケラチノサイト特異的ATRAP欠損マウスの作成に成功し,同マウスのケラチノサイトではATRAP発現がmRNAレベルで十分に減少していることを確認した. ヒト皮膚組織を用いた臨床研究に関しては,2021年4月末日時点で計30症例分の検体収集を終えており,今後中間解析を実施する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題は,病態モデル動物を用いた実験,皮膚特異的ATRAP発現変動動物を用いた実験,そしてヒト皮膚組織も用いた臨床研究により構成される.病態モデル動物を用いた実験の結果は皮膚組織RASと高血圧の関連性を示唆するものであるとともに,皮膚ATRAP欠損マウスの作成にも成功している.臨床研究の検体収集状況も順調である.
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今後の研究の推進方策 |
病態モデル動物での解析をさらに進めるとともに,皮膚特異的ATRAP欠損マウスでの解析を開始していく.臨床研究では,検体収集を進めるとともに中間解析を開始していく.
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