高血圧は心血管病の最大の危険因子であるが,その病態生理は十分に解明されていない.本研究では,AT1受容体シグナルの抑制因子であるATRAPに着目し,高血圧における皮膚組織レニン・アンジオテンシン系(RAS)の病態生理解明を目的とした.C57BL/6マウスと比較してRAS感受性が亢進している129/Svマウスでは,アンジオテンシンⅡ負荷による血圧上昇がC57BL/6よりも増悪し,皮膚ナトリウム量は増加傾向にあった.一方で,高食塩負荷による血圧上昇は129/Svマウスで増悪したものの,皮膚ナトリウム量増加は認めなかった.また,ケラチノサイト特異的ATRAP欠損マウスの作製に成功し解析を進めている.
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