本研究では,シングルセルRNAシーケンスを用いてIgA腎症患者の末梢血単核球細胞の遺伝子発現情報を網羅的に解析することにより,IgA腎症の新たな治療標的や重症化因子・治療反応性を規定する因子の発見を試みた。10X Chromium systemおよび次世代シーケンサーにより得られた遺伝子発現情報から,主に統計解析ソフトR等を用いて遺伝子発現行列を得て,クラスタリング解析を行った。B細胞,T細胞,単球,樹状細胞,造血幹細胞,巨核球などが確認でき,それぞれのサブポピュレーションも加えると計20種類以上もの細胞種が存在することが明らかになった。現在症例を集積してさらなる解析を進めている。
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