我々は脂肪酸エステラーゼの一つ、Carboxilesterase1(CES1)の腎臓における脂質代謝促進作用に着目して、慢性腎臓病(CKD)治療薬としての可能性を検討した。高脂肪食負荷モデルマウスにおいて、腎臓におけるCES1の発現が上昇していることを明らかにした。またCES1の転写因子の一つ、FXRの活性維持により、脂肪負荷時の尿細管障害が軽減することを明らかにした。 ヒト腎近位尿細管細胞株にCES1を過剰発現させパルミチン酸、オレイン酸との共培養を行い、脂肪酸負荷時の細胞障害性を観察した。しかし、CES1過剰発現細胞において脂肪酸負荷による細胞障害性の改善は認められなかった。
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