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2021 年度 実施状況報告書

偏光感受性OCTを用いたコラーゲンリモデリングと冠動脈プラーク不安定化機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K22923
研究機関大阪市立大学

研究代表者

大塚 憲一郎  大阪市立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (60726074)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2023-03-31
キーワード動脈硬化症 / コラーゲン / 新規血管内イメージング / 複屈折
研究実績の概要

冠動脈プラークのコラーゲンリモデリングが、ヒト生体内でプラーク不安定化に及ぼす役割は未解明である。偏光感受性(polarization-sensitive; PS)光干渉断層法(optical coherence tomography; OCT)は、従来型OCTによる構造的観察に加え、組織の偏光特性を測定することでプラーク性状を観察できる新しい血管内イメージング技術である。血管内OCT-polarimetryで得られる偏光特性である複屈折(birefringence)はコラーゲンや血管平滑筋の存在により上昇し、偏光解消度(depolarization)はマクロファージや脂質・壊死性コアの存在により上昇することを病理像との対比により報告している。
本研究では、プラークの経時的変化を観察するため、大阪市立(公立)大学医学部附属病院に設置できるPS-OCTシステムコンソールを必要とする。そのため、従来型OCTイメージングカテーテルを介して偏光測定を可能とするコンソールシステムをハーバード大学Bouma教授と開発し、PS-OCTコンソール導入に関する契約を締結した。本システムの冠動脈プラークの画像取得手技は従来のOCTと同様である。次年度以降は、急性冠症候群患者にカテーテル型PS-OCTを施行し、冠動脈プラークのコラーゲンの偏光特性と3次元構造を明らかにすることで、プラーク不安定化におけるコラーゲンリモデリングの意義を解明する。本研究のOCT-polarimetry前向きレジストリー観察研究における患者予後追跡を行うことで、冠動脈病変の偏光特性(複屈折と偏光解消度)が心筋梗塞発症の予測因子としての臨床的意義を解析する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究室主宰者不在の期間があったため、研究の進行はやや遅れている。しかしながら、倫理委員会申請、PS-OCTコンソールの導入手続きは滞りなく進捗している。

今後の研究の推進方策

PS-OCTコンソールの導入準備が整ったため、冠動脈疾患患者に対する血管内偏光測定を開始できる見込みである。得られた画像は大阪市立大学大学院医学研究科循環器内科学で解析する。さらに、冠動脈プラークの線維成分の3次元構造については米国ハーバード大学医学部と連携して、プラークの偏光特性画像の再構築処理を行う予定である。新型コロナウイルス感染症に伴う対象患者の症例数減少は限定的であり、今後の円滑な臨床研究への参加が見込まれる。当該研究施設へ速やかにPS-OCTコンソールの輸送を行い、今年度中に冠動脈疾患患者における血管内偏光測定を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

PS-OCTシステムコンソール導入に充てる費用を次年度に繰越したため。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 2021

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Polarimetric Signatures of Coronary Thrombus in Patients With Acute Coronary Syndrome2021

    • 著者名/発表者名
      van Zandvoort Laurens J. C.、Otsuka Kenichiro、Villiger Martin、Neleman Tara、Dijkstra Jouke、Zijlstra Felix、van Mieghem Nicolas M.、Bouma Brett E.、Daemen Joost
    • 雑誌名

      Circulation Journal

      巻: 85 ページ: 1806~1813

    • DOI

      10.1253/circj.CJ-20-0862

  • [学会発表] Intravascular OCT polarimetry: Progress, prospects, and challenges2022

    • 著者名/発表者名
      Villiger M, Otsuka K, Boumar BE
    • 学会等名
      SPIE Photonics West BIOS 2021
  • [学会発表] Intracoronary OCT-polarimetry for characterizing coronary atherosclerotic plaques in patients2021

    • 著者名/発表者名
      Kenichiro Otsuka, Villiger Martin, Seemantini Nadkarni, Noriaki Kasayuki, Minoru Yoshiyama, Everyn Regar, Gijs van Soest, Joost Daemen, Brett Bouma
    • 学会等名
      第29回日本心血管インターベンション治療学会;CVIT2020

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公開日: 2022-12-28  

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