近年提唱されたtrigger-based atrial fibrillation (AF)は、従来の考えであるリエントリーを中心とした不整脈発生基盤と異なる性質を持ち、難治性に位置付けられている。本研究は独自開発したtrigger-based AFに類似した性質を有する心房細動モデルラットを用いて、不整脈発生の基盤構築に関わるメカニズムを解明することを目的とした。本研究により、TRPC3チャネルを介した細胞内シグナルが、本モデルラット心房におけるトリガーの発生に関与する示唆を得た。この成果は、難治性心房細動に対する新たな治療戦略確立への展開が期待でき、学術的・社会的に意義のあるものである。
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