研究課題/領域番号 |
20K22929
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
松野 雄一 九州大学, 大学病院, 臨床助教 (60876522)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | 小腸潰瘍 / プロスタグランジン / 腸内細菌叢 |
研究実績の概要 |
本研究では非特異性多発性小腸潰瘍症(CEAS)と対照者の小腸粘膜組織におけるプロスタグランジン(PG)トランスポーターやレセプターの発現、消化管組織検体を用いた網羅的なデジタルカウント遺伝子発現解析による炎症関連遺伝子発現、小腸粘膜の細菌叢を比較し、CEASの小腸粘膜におけるPGの分布や小腸潰瘍発生の誘因となる要因、腸内細菌叢の関与を明らかにすることを目的としている。また非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)+PPI内服の前後での個体間での便中腸内細菌叢の比較および、プロバイオティックス内服の細菌叢への影響を検討し、NSAIDs起因性小腸潰瘍形成における腸内細菌叢の関与とプロバイオティックスの影響を明らかにする。 これまでに申請者らは健常者を対象とし、セレコキシブ(200mg1日2回)およびラベプラゾール(20㎎)に加え、プラセボ(プラセボ群)またはLactobacillus salivarius WB21(WB21群)の投与を行うランダム化比較試験を行い、小腸潰瘍の発生率はプラセボ群よりWB21群で有意に少ないことがわかり、PPI併用下でのNSAIDs投与においてLactobacillus salivarius WB21の追加投与はNSAIDs起因性小腸潰瘍の形成を抑制する可能性が示唆された。今後さらに次世代シーケンサーによる腸内細菌叢の解析を行い、NSAIDs起因性小腸潰瘍形成における腸内細菌叢の関与を明らかにしていく。また、CEAS患者の小腸粘膜の免疫化学染色やデジタルカウント遺伝子発現解析、腸内細菌叢の解析を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
NSAIDs起因性小腸潰瘍における腸内細菌叢の解析については、収集した検体からのDNAの抽出は概ね終了しており、今後次世代シーケンサーによる16s rRNA菌叢解析を行う。CEAS患者の小腸粘膜の免疫化学染色やデジタルカウント遺伝子発現解析については、特にデジタルカウント遺伝子発現解析においてパラフィン包埋標本から抽出された遺伝子量が十分でなく、希少疾患のため、サンプルが比較的時間のたったものが多いことも一因と考えられる。今後改良していく。
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今後の研究の推進方策 |
NSAIDs起因性小腸潰瘍における腸内細菌叢の関与についての検討はこのまま進めていく。CEASに関しては希少疾患であり、まずは当科の少数例での検討を行っていく。また、腸内細菌叢についてはプロスタグランジン関連腸症として、これらに共通するような細菌叢についても検討していく。
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