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2023 年度 実施状況報告書

平滑筋ミオシン変異による家族性大動脈解離の分子機構解明と治療法開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K22932
研究機関自治医科大学

研究代表者

澤城 大悟  自治医科大学, 医学部, 講師 (40456132)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2025-03-31
キーワード平滑筋ミオシン重鎖 / 大動脈平滑筋 / 細胞老化 / メカノトランスダクション
研究実績の概要

Myh11変異マウスのフェノタイプ解析を目的として平滑筋ミオシンの遺伝子変異(Exon29 del1263K)による家族性大動脈瘤/解離家系を報告し、改良Crispr-Cas9系で同一変異をB57BL/6マウスに導入した。
本研究ではまず、変異マウスと野生型マウスの表現型を比較検討を行った。Myh11ミオシンヘテロ変異マウスでは、ヘテロおよびホモマウスではフェニレフリン(Phe)に対する大動脈収縮反応が低下することを明らかにした。大動脈の収縮・弛緩機能についてのバイオマーカー、大動脈の組織学的評価、血管壁で発現するRNAの定量的解析、血管平滑筋ミオシンの分子機能など)の解析を進めている。p16-luciferase-MYH11変異マウスを用いた解析ではAII刺激下においてもluciferase活性は大動脈で認められなかった。また大動脈壁脆弱性等平滑筋機能不全についての基礎的検討としてMyh11変異マウス胎児線維芽細胞を使用し放射線障害・化学障害による細胞老化への反応性相違について検討を行った。p53の発現に関して放射線障害下ではMyh11変異線維芽細胞は初期の遺伝子誘導は高値であるものの48時間以降は野生型に比し減弱する傾向であった。Buslfanによる細胞障害に対しては差異を認めなかった。細胞伸展刺激に対しての反応性の差異のメカニズムとしてメカノトランスダクションに関わるFAK等シグナルカスケードの活性化への影響を検討している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

Myh11変異マウスのフェノタイプ解析を目的として平滑筋ミオシンの遺伝子変異(Exon29 del1263K)による家族性大動脈瘤/解離家系を報告し、改良Crispr-Cas9系で同一変異をC57BL/6マウスに導入した。当マウスは妊孕性が低く、解析対象マウスの確保に依然として難渋している。同様に初継代細胞採取による血管平滑筋細胞培養も遅延しており in vitroでの解析が同様にやや遅延している。

今後の研究の推進方策

Myh11マウスの繁殖を継続・加速し、実験可能な個体を確保し、大動脈・子宮筋・膀胱等の平滑筋組織のRNA定量的解析、平滑筋ミオシンのメカノトランスダクションに関わる分子機能の解析を進める。また平滑筋細胞の細胞老化と組織脆弱性や収縮不全の関連を評価する。初継代線維芽細胞を用いたin vitroの実験系を中心にメカニズム解析を行い、細胞外から細胞内への刺激伝播におけるMyh11変異の重要性についての解析に重点を置く方針とする。

次年度使用額が生じた理由

R5年度に妊娠マウスの解析を行う予定としていたがMYH11mutationマウスの妊孕性が悪く、年度内に妊娠マウスの解析を終了することができなった。そのためR6年度に当該実験について持ち越しの使用額が生じた。
R6年度では現在までに取得した病理標本、組織抽出サンプル、初継代細胞を使用しMYH11変異の大動脈疾患や出産困難に対しての寄与・細胞老化を介したメカニズムの解明を進める予定としている。残額は試薬に充当する予定としている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Multi-Omics of Familial Thoracic Aortic Aneurysm and Dissection: Calcium Transport Impairment Predisposes Aortas to Dissection2023

    • 著者名/発表者名
      Shota Tomida, Tamaki Ishima, Daigo Sawaki, Yasushi Imai, Ryozo Nagai, Kenichi Aizawa
    • 雑誌名

      International Journal of Molecular Science

      巻: 24 ページ: 15213

    • DOI

      10.3390/ijms242015213

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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