自然免疫シグナル低下がCHIP関連遺伝子変異体の造血器腫瘍への形質転換と関与していることをこれまで見出していたが、一方で造血器発症後の自然免疫シグナル活性化はむしろ腫瘍細胞恒常性維持に寄与していることを示唆する報告が多く、この点を自然免疫シグナル経路において中心的役割をはたしているE3ユビキチンリガーゼTRAF6に注目し解明を試みた。本研究で、TRAF6とミトコンドリア機能との関与が示唆されるとともに、TRAF6欠損は白血病細胞の増殖能低下が示された。メタボローム解析ではダイナミックな代謝制御変化がTRAF6欠損で生じており、TRAF6による代謝制御が白血病の進行に寄与していると考えられた。
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