肝細胞特異的なferroptosis制御因子として、コレステロール合成酵素である7-デヒドロコレステロール還元酵素(DHCR7)を同定した。DHCR7遺伝子を欠損、もしくは薬剤で阻害した場合に、肝細胞はferroptosisに耐性を示した。DHCR7の欠損・阻害下ではDHCR7の基質である7-デヒドロコレステロール(7-DHC)の蓄積が認められ、これが多価不飽和脂肪酸より優先的に酸化されることがferroptosis抑制につながることが示された。さらに、DHCR7阻害剤は肝虚血再灌流障害の抑制にも有効であり、ferroptosis関連肝疾患の制御に有効な治療標的と考えられた。
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