本研究では、同一菌株(Leptospira interrogans L495株)を用いて、ハムスターに軽症型感染と重症型感染を起こさせることに成功した。2つのモデルの比較により、急性期の抗体価の上昇の遅れが、急性腎障害、生存率に関連しており、重症化を決める因子の一つである可能性が示唆された。また軽症型モデルの腎臓の解析により、急性期に生じた尿細管障害が慢性期も持続し、慢性期に腎障害を起こすことがわかった。レプトスピラ症が熱帯地方の慢性腎障害の一因である可能性が示唆された。さらに、レプトスピラ症の消化管病変について報告し、便が感染源になる可能性を示した。
|