• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

HBc抗体陽性非ウイルス性肝癌のHBVゲノム挿入部位の同定及び発癌機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K22951
研究機関北海道大学

研究代表者

鈴木 理滋  北海道大学, 医学研究院, 助教 (60870532)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワードHBV / インテグレーション
研究実績の概要

本研究の目的は、HBV既往感染者(HBc抗体のみ陽性の感染者)とHCC発症に着目し、ヒト検体を用いてHBVゲノムのインテグレーションサイトの網羅的同定を行う。また、同定したHBVゲノムのインテグレーションサイトによるHCC発症のメカニズムを明らかにすることで、HBc抗体陽性のHBV既往感染者でも発癌リスクがあることを提唱する。本年度は使用するHBc抗体陽性非ウイルス性肝癌検体のピックアップ及び次世代シーケンス解析を行うための条件検討を行なった。まず、今回用いるHBc抗体陽性の非ウイルス性肝癌検体の患者情報(年齢、性別、基礎疾患など)をまとめて、データベース化した。また、HBVゲノムのインテグレーション部位を同定するために、同患者の背景肝の検体をコントロールとして使用することにした。そして、29検体のHBc抗体陽性非ウイルス肝癌検体をピックアップした。次に、次世代シーケンス解析を行うため、組織からDNAを抽出し、そこからライブラリー作製を試みた。まずはHBVゲノムがインテグレートされた培養細胞を用いて、DNA抽出を行い、その後ソニケーターの条件検討を行い、目的のDNA断片を作製することに成功した。更に、培養細胞ではなく肝臓組織でもソニケーションを行い、目的のDNA断片を取得することができた。今後はこれら断片を用いてDNAライブラリーを作製して、VDCA法を行い、次世代シーケンス解析を行う計画である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は新型コロナウイルスの影響により、当初の予定であった次世代シーケンス解析まで行うことができなかった。しかしながら、使用するHBc抗体陽性の非ウイルス性肝癌のピックアップ、次世代シーケンス解析を行うためのソニケーション条件およびPCR条件などの検討は進めている。以上の結果から、やや遅れていると判断した。

今後の研究の推進方策

次年度はまずDNAライブラリーの作製を試みる。ソニーケーションされたDNA断片を用いて次世代シーケンス解析用のライブラリーを調製する。その後、VDCA法を行い、HBVゲノムがインテグレーションされたDNA断片部位を濃縮し、次世代シーケンス解析を行う予定である。そして、同定されたHBVゲノム挿入部位から癌に関わる挿入部位を探し、CRISPR/Cas9システムを用いて実際にHBVゲノムをノックインし、細胞増殖および細胞周期に影響が生じるか検討していく計画である。

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi