研究課題
1.健常人末梢血から好中球と単核細胞(PBMC)を採取、好中球をPMA(1microM)またはLPS(10microg/ ml)で15分間刺激し、十分に洗浄し、さらに4時間インキュベートしNETsを作成、PBMCは抗CD3抗体でコーティングプレート上でr-IL-2(10ng/ml)を含む培養液にて7-14日間培養し、活性化T細胞を得た。このT細胞を3ミクロンのporeを有するインサートに静置し、下層にCXCL-11(1000ng / ml)を含んだ培養液を添加、2時間後に下層に遊走した細胞数を検討したところ、T細胞の遊走はPMA活性化好中球の存在下で劇的に減少し、DNase IによるNETsの分解や、遠心分離によってNETs成分を除去しても変化はなかったが、カタラーゼ(800u / ml)で前処理するとキャンセルされた。また、活性化T細胞のplastic plate上のrandom migrationをタイムラプス動画で観察すると、PMA刺激好中球の上清の添加で劇的に抑制された。また、活性化T細胞の遊走はLPS活性化好中球によって有意に阻害されたが、NETsを除去するとその抑制は部分的に解除された。2.Western blot法にてCXCL-11はLPS刺激好中球に由来するNETsによって完全に分解されたが、DNAseIやプロテアーゼ阻害剤であるPMSFの共存でその抑制は解除阻害された。3.In vivoでのNETsの効果を検討するために、C57/BL6マウスに同種胃癌細胞YTN16を腹腔内投与し腹膜播種を形成させる実験系を作成し、抗PD-1抗体に投与が有効であることを確認した。また、活性化好中球由来のNETsを共投与すると腹膜播種の形成が促進されることが判明した。
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