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2021 年度 実績報告書

がん微小環境におけるムチン発現と免疫細胞浸潤様式の関連性についての包括的解析

研究課題

研究課題/領域番号 20K22961
研究機関自治医科大学

研究代表者

芝 聡美  自治医科大学, 医学部, 助教 (70721603)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワードムチン / 腫瘍浸潤リンパ球 / 乳癌 / 多重免疫色 / 腫瘍関連マクロファージ / メトホルミン
研究実績の概要

2006年1月1日から2020年8月31日までに当院消化器一般移植外科で行われた糖尿病合併乳癌患者の手術症例177症例のうち、メトホルミン内服症例は49例であった。メトホルミン内服症例は非内服症例と比較して術後全生存率(OS)に有意差は認めなかったが、術後無病生存率(DFS)は良好である傾向を認めた。また、PSTを施行した症例の治療効果をメトホルミン内服群と非内服群で比較すると治療効果Grade3であった症例は、メトホルミン内服群は9例中5例(55.6%)、非内服群は31例中5例(16.1%)であり、メトホルミン内服群は非内服群と比較して、PSTの治療効果が高い傾向を認めた(p=0.05)。
摘出検体を用いた多重免疫組織化学染色(Multiplex IHC)法により、MUC1, MUC2, MUC5AC, MUC6の免疫染色を施行したが、その染色パターンと年齢、組織型、リンパ節転移の有無、癌細胞のKi-67、Stage、Subtype、エストロゲン受容体の発現の有無, HER2発現、術前薬物療法施行の有無などの臨床病理学的因子、およびメトホルミンの服用歴との間には有意な関連性は認めなかった。
一方、がん微小環境の浸潤免疫細胞を評価したところ、メトホルミン内服群は非内服群と比較して乳癌組織に浸潤したCD68(+)マクロファージの数は有意に少なく、CD163(+)M2マクロファージの割合はさらに低値であった。また、CD3(+)T細胞の密度には有意差はなかったが、CD8陽性Tリンパ球の割合はメトホルミン服用群で有意に高い結果が得られた。ヒト乳癌患者においては、メトホルミンの内服により免疫学的微小環境が抗腫瘍的に変化しており、それが患者予後の改善に関連している可能性があることが示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 経口糖尿病薬メトホルミン加療歴を有する乳癌患者の特徴2021

    • 著者名/発表者名
      芝 聡美, 原尾 美智子, 丸藤 琴音, 扇原 香澄, 佐々木 裕美子, 西田 紗季, 櫻木 雅子, 水沼 洋文, 北山 丈二,佐田 尚宏
    • 学会等名
      第29回日本乳癌学会学術総会
  • [学会発表] 術前化学療法施術症例における病理学的治療効果と好中球リンパ球比とKi-67との関連2021

    • 著者名/発表者名
      芝 聡美, 原尾 美智子, 丸藤 琴音, 扇原 香澄, 佐々木 裕美子, 西田 紗季, 櫻木 雅子, 水沼 洋文, レフォー, アラン, 北山 丈二,佐田 尚宏
    • 学会等名
      第59回日本癌治療学会学術集会
  • [学会発表] 高齢者乳癌の薬物療法の選択2021

    • 著者名/発表者名
      原尾 美智子, 丸籐 琴音, 西田 紗季, 佐々木 裕美子, 芝 聡美, 櫻木 雅子, Alan Lefor, 北山 丈二,佐田 尚宏
    • 学会等名
      第59回日本癌治療学会学術集会
  • [学会発表] 超高齢者乳癌患者にいかに適切な治療を選択するか2021

    • 著者名/発表者名
      原尾 美智子, 丸藤 琴音, 佐々木 裕美子, 西田 紗季, 芝 聡美, 櫻木 雅子, 塩澤 幹雄, 北山 丈二,佐田 尚宏
    • 学会等名
      第29回日本乳癌学会学術総会

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公開日: 2022-12-28  

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