全身性強皮症の病態を再現し単球、マクロファージに異常を有する骨髄由来細胞特異的Fli1欠失マウス(Fli1 McKOマウス)を用いて全身性強皮症の血管障害と創傷治癒異常におけるマクロファージの関与につき検討を行った。マクロファージにおける転写因子Fli1の発現低下は、M2マクロファージへの分化を誘導することが示されており、Fli1 McKOマウスのマクロファージではさらに新生血管の不安定化に関連するフェノタイプへの変化がみられた。性質変化したマクロファージが創傷部位での血管内皮細胞の遊走能、管腔形成能の異常を誘導することで全身性強皮症における創傷治癒遅延に関与する可能性が示された。
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