研究課題
高齢社会日本では、骨粗しょう症に起因する脆弱性骨折患者の生命および機能予後改善は、医療・介護において喫緊の課題である。現存する骨粗鬆症治療薬では、全ての高齢者を安全に治療できないため、「速やかに」かつ「安全に」骨密度を改善する新規薬剤の開発が求められている。本研究では、破骨細胞分化における転写制御ネットワークの多様性を明らかにし、前例のない転写制御による創薬ターゲットを探索することを目的として開始した。従来の1細胞解析の技術では、接着が強く脆弱な多核巨細胞の1細胞解析は困難だと考えられた。そこで本課題では、1細胞遺伝子発現解析法の破骨細胞への応用を検討した。同じ生理的環境下であっても、破骨細胞による骨吸収活性になぜ多寡が生まれるか、メカニズムを明らかにし、骨粗しょう症のさらなる創薬ターゲット発見に努めた。本研究期間中に、提出した課題を拡張する形で、先端ゲノム解析研究推進プラットフォーム、先端ゲノム支援に採択され、技術支援を得て、研究を前進させた。研究代表者として本研究支援期間に、英文論文筆頭2編、共著4編を出版することができた。さらに研究終了時点では、本研究課題論文が査読中となっており、近日中に公表される見込みである。また国内・国外の学会にて発表を行い、日本生化学会、日本骨代謝学会ではシンポジスト招聘参加、日本骨免疫学会では優秀演題賞を受賞した。引き続き、科研費・若手研究にて採択いただいており、研究を邁進していく。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件)
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