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2020 年度 実施状況報告書

低酸素ストレスに着目したに腎結石の新規予防薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K22981
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

河瀬 健吾  名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 臨床研究医 (90881772)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワード尿路結石 / 低酸素 / PHD阻害薬
研究実績の概要

本年度は、まずIn vitroでの検討をメインに行なった。マウス腎尿細管上皮細胞(M1)のみで培養した群と白色脂肪細胞に分化させた3T3L1細胞を共培養した群に対して、PHD阻害薬であるFG4592 (0、25、50、75μmol/L)を6時間添加したのち、シュウ酸カルシウム結晶20μg/cm2をM1に添加し、計4群を作成した。結石付着量、炎症マーカーのCcl2、Spp1、IL-6、Tnf-α、酸化ストレスマーカーであるSOD1、培養液中のAdiponectinの発現量を評価した。
結果では、FG投与により結石付着量が単培養群、共培養群で有意に減少した(p<0.05)。FG投与により、M1細胞では単培養群、共培養群ともにCcl2、Spp1の発現の有意な減少を認めた(p<0.05)。FG投与により、SOD1は有意な差はなかったが上昇傾向を認めた。培養中のAdiponectinは共培養群でFG投与により増加を認めた(p<0.05)。
PHD阻害剤が尿細管上皮細胞への炎症、酸化ストレスを抑制することで、細胞への結晶付着が抑制された。それに加えて、脂肪細胞への炎症を抑制し、adiponectinの発現を介して尿細管上皮細胞の抗炎症作用があり、腎結石形成の抑制することが示唆された。今後は、結石モデルマウスに対し、FG4592を投与し結石形成の抑制の検討と、腎組織、脂肪組織への抗炎症作用を検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画通りに進んでいる。

今後の研究の推進方策

In vitro、In vivoでPHD阻害剤の投与の検討を行う。

次年度使用額が生じた理由

1)低酸素ストレス下での腎尿細管上皮細胞への影響の解析、2)低酸素ストレスと腎結石形成機序の解明とHIF(hypoxia inducoble factor)の機能解析を順次行う計画であった。計画自体は順調な滑り出しであったがCOVID-19による通常の医療業務が大幅に変更となり、予定していた研究を進めることができなかった。このため次年度使用が生じた。次年度は効率的に1)2)を進めて行きたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] PHD阻害剤の投与による腎結石形成抑制効果の検討2020

    • 著者名/発表者名
      河瀬 健吾、濵本 周造、服部 竜也、茶屋 亮輔、岡田 朋記、田中 勇太郎、杉野 輝明、海野 怜、田口 和己、岡田 淳志、安井 孝周
    • 学会等名
      第70回日本泌尿器科学会中部総会 発表予定抄録
  • [学会発表] PHD阻害剤の投与による腎結石形成抑制効果の検討2020

    • 著者名/発表者名
      河瀬 健吾、濵本 周造、服部 竜也、茶屋 亮輔、岡田 朋記、田中 勇太郎、杉野 輝明、海野 怜、田口 和己、岡田 淳志、安井 孝周
    • 学会等名
      第63回日本腎臓学会学術総会

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公開日: 2021-12-27  

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