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2020 年度 実施状況報告書

マクロファージを介した椎間板内神経成長因子誘導機構の解明と腰痛との関連性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K22984
研究機関北里大学

研究代表者

中脇 充章  北里大学, 医学部, 助教 (00623175)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワードマクロファージ / 神経成長因子 / 椎間板
研究実績の概要

申請者はこれまにで椎間板傷害後に神経成長因子(NGF)の発現が上昇すること、in vitroにおいてTNF-alpha, TGF-betaが椎間板細胞におけるNGFの発現を亢進させることを明らかにしてきた。本年度はNGF産生機構へのマクロファージの関与を検討するために、傷害椎間板におけるマクロファージを分離し、NGFおよびその制御因子の発現を検討した。C57BL/6Jに対し27G針を用いて椎間板傷害モデルを作製した。傷害後7日目にTnfa, Tgfb, Ngfの発現が上昇が認められたため、傷害後7日の椎間板を検討に用いた。0.2%コラゲナーゼで18時間37℃で酵素処理し、有核細胞を得た。抗CD11b抗体と磁気ビーズを用いてCD11b陽性(マクロファージ)分画とCD11b陰性(椎間板細胞)分画に分離した。RNAを抽出後、cDNA増幅試薬を用いて増幅後、両分画におけるマクロファージマーカー(F4/80, Cd11b)、Tgfb, Ngfの発現をreal time PCRを用いて検討した。CD11b陽性分画におけるマクロファージマーカー(F4/80, Cd11b)の発現はCD11b陰性分画に比して有意に高かった。Tnfaの発現はCD11b陽性分画で有意に高かった。Tgfbの発現はCD11b陰性分画で有意に高かった。Ngfの発現に有意な差は認められなかった。本研究結果から、マクロファージは炎症性サイトカイン産生を介したオートクリン、パラクリン作用によりNGFを制御している可能性が示唆された。マクロファージはNGFを介した腰痛機構に重要な役割を果たしているかもしれない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

マクロファージの役割の一端を明らかにしており、おおむね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

TNF-alphaノックアウトマウスおよびマクロファージ除去剤を用いてマクロファージを介したNGF誘導機構の詳細を明らかにする予定である。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の蔓延により選択的手術が延期または中止を強いられた。そのため、ヒト椎間板細胞の採取とそれらを用いた解析に遅れが生じた。来年度、ヒト検体の解析費用に用いる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Role of CD14-positive cells in inflammatory cytokine and pain-related molecule expression in human degenerated intervertebral discs2021

    • 著者名/発表者名
      Miyagi M, Uchida K, Takano S, Nakawaki M, Sekiguchi H, Nakazawa T, Imura T, Saito W, Shirasawa E, Kawakubo A, Akazawa T, Inoue G, Takaso M
    • 雑誌名

      J Orthop Res

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.1002/jor.24839

    • 査読あり
  • [学会発表] TNF-α は椎間板組織内のiNOS発現を制御している2020

    • 著者名/発表者名
      中脇充章、 内田健太郎、川久保歩、宮城正行、大久保 直、横関雄司、関口裕之、井上 玄、齋藤 亘、高相晶士
    • 学会等名
      第35回日本整形外科学会基礎学術集会

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公開日: 2021-12-27  

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