椎間板組織内における神経成長因子(NGF)の発現制御機構を検討した。傷害椎間板組織からマクロファージを分離し、TNF-α、TGF-β, NGFの発現を検討した結果、TNF-αはマクロファージ分画、TGF-βは椎間板細胞分画で高発現を認めた。TNF-a ノックアウトマウスを用いて椎間板傷害モデルを作製し、NGFの発現を検討したが、野生型とKOマウスでNGFの発現に有意な差は認められなかった。一方、椎間板傷害モデルにTGF-β阻害剤(SB431542)を投与したところ、NGFの発現は有意に減少した。このことから、椎間板組織内ではTGF-βがNGFを制御している可能性が示唆された。
|