先天性難聴の原因遺伝子Xのノックアウトマウス内耳において「greater epithelial ridge (GER)の胎生期変性」という新しい表現型を発見した。GERは外界からの音の伝導を司る内有毛細胞の生後成熟に不可欠である。先天性難聴の原因遺伝子Xを発現した細胞を蛍光色素GFPで標識した遺伝子組換えノマウスでは、GFP陽性細胞がGERに異常浸潤していることを発見した。GERの胎生期変性では、血管条、有毛細胞、支持細胞や神経細胞マーカーの発現局在の変化を認められなかった これらの研究成果から「GER胎生期変性が先天性難聴の原因となりうる」と考えられた。
|