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2021 年度 実施状況報告書

胎盤組織由来間葉系幹細胞を用いた放射線皮膚潰瘍予防への試み

研究課題

研究課題/領域番号 20K23006
研究機関長崎大学

研究代表者

西條 広人  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (40882460)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2023-03-31
キーワード間葉系幹細胞 / 放射線潰瘍
研究実績の概要

本研究は悪性腫瘍に対する放射線治療や、心臓疾患によるIVRなどの医療被ばく後に生じる晩発性の放射線皮膚潰瘍に対して、間葉系幹細胞を用いた新規予防法を開発することを目的とする。我々のグループではこれまで脂肪組織由来間葉系幹細胞が放射線照射後の皮膚障害に対して、細胞増殖促進効果や血管・リンパ管新生効果を示すことにより有用であることを示してきた。近年では新たな幹細胞の供給源として分娩の際に廃棄される胎盤組織に注目しており、胎盤組織由来の間葉系幹細胞を用いて放射線照射後の皮膚障害が緩和できないかと考えた。当該年度までの成果として、後肢にX線20Gyを照射したSDラット(6週、♂)に対してヒト羊膜組織から単離・培養した幹細胞を局所皮下投与し、非投与群との間で1週間後の放射線潰瘍の発症率を検討したが有意な差はみられなかった。X線照射により観察中に死亡した個体もあり、照射線量や観察期間また幹細胞の投与方法についても再考が必要と考えられる。現在の放射線皮膚潰瘍に対する治療戦略は、生じた潰瘍に対して照射による影響がみられる部位への広範な組織切除を行い、皮弁などの組織移植によって治癒を図るという、患者自身にも治療者にも負担の大きいものであるが、本研究により胎盤組織由来間葉系幹細胞の放射線照射に対する組織緩和効果を示すことができれば、最小限の侵襲で放射線皮膚潰瘍を予防できる可能性があり今後の研究成果が期待されると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究代表者が所属機関とは別の他県の機関(千葉県)で勤務するようになり、物理的な距離によって研究時間の確保が困難であった。また新型コロナウイルス流行の影響も昨年度と同様に続いており、所属機関への出入りの機会が制限されてしまい、所属機関の施設を用いての研究遂行が難しくなった。そのため大幅に計画が遅れている。

今後の研究の推進方策

2022年度はラット放射線潰瘍モデルに対する羊膜由来幹細胞投与実験を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス流行の影響により研究が遅れ、物品購入費が当初より減少した。また出席予定だった学会もWeb開催となったため、旅費も当初の予定より減少した。次年度使用額は再度物品購入費や旅費、論文作成等にかかる費用にあてる予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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