研究課題
咬合性外傷は細菌存在下において歯周炎を増悪させる修飾因子として広く知られている。しかし、その根拠の多くは1980年以前の動物実験 によるものがほとん どであり、生物学的な検討がなされた報告は乏しく、メカニズムについては不明な点が多い。 本研究では咬合性外傷モデルにおける歯周組織サンプルより、 RNAシークエンス解析を行い、咬合性外傷における遺伝子制御を検索し、咬合性外傷における重要な細胞種、遺伝子の解明を明らかにすることを目的とする。 また、歯根膜細胞、骨細胞において伸展培養を行い、メカニカルストレス存在下での動態を評価するとともに、網羅解析によって得られた変動遺伝子の機能解析を行うことで咬合性外傷のメカニズムの同定を目的とする。 8週齢オスC57BL/6J系統マウスの臼歯部咬合面にコンポジットレジンを築成し、咬合性外傷モデルとする。また、歯周炎存在下における咬合性外傷の影響に関して、 絹糸結紮誘導歯周炎モデルと絹糸結紮誘導歯周炎、咬合性外傷併発モデルを用いた実験系で比較検討する。処置前後の歯周組織を実験動物用マイクロX線CTにて撮影し、歯槽骨吸収を評価した。歯周病モデルマウスに対して、歯周病、咬合性外傷併発モデルで、骨吸収は亢進し、咬合性外傷が骨吸収を増悪させることが示唆された。また、同モデルの歯槽骨よりRNAを抽出し、RNA-seq解析を行なったところ、歯周炎、咬合性外傷併発モデルにおいて種々の免疫応答の変動を示唆する結果が得られた。今後実験を追加し、論文報告予定である。
すべて 2022 2021
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件)
Frontiers in Cellular and Infection Microbiology
巻: 11 ページ: 1-15
10.3389/fcimb.2021.745117
International Journal of Molecular Sciences
巻: 22 ページ: 8900~8900
10.3390/ijms22168900
Photobiomodulation, Photomedicine, and Laser Surgery
巻: 39 ページ: 566~577
10.1089/photob.2020.4958
日本レーザー歯学会誌
巻: 31 ページ: 53-57