口腔扁平上皮癌の顎骨内浸潤は、破骨細胞の異常な活性化によりが虫喰い状の骨吸収を示す病態と、緩慢に骨吸収が進行するものに大別される。本研究は口腔扁平上皮癌の骨吸収様式を決定する分子機序を解明するために病態モデルマウスによる解析を行った。マウス扁平上皮癌細胞株(SCC VII)の2亜株をC3Hマウスの頭頂骨骨膜近傍に播種し、腫瘍(破壊型、緩慢型)が形成されるシンジェニック担癌モデルマウスを作成・表現型を比較した。その結果、細胞性免疫に関与する液性因子Xの浸潤型における発現が圧迫型よりも多く、液性因子X を高発現する腫瘍細胞は腫瘍組織内Tリンパ球に依存した骨吸収を促進させる可能性が示された。
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