研究課題/領域番号 |
20K23030
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
瀬山 真莉子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (30875787)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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キーワード | 歯周病原菌 / アルツハイマー病 / 細胞外小胞 / 行動試験 |
研究実績の概要 |
歯周病原菌Porphuromonas gingivalis(Pg) が放出した細胞外小胞(OMV) がアルツハイマー病の悪化に重要な影響を与えるか検討した。 ① Pg OMVを12週間腹腔内投与したBalb/cマウス(30週齢・メス・中年マウス)の認知機能を、行動試験により判定した。具体的には、オープンフィールド試験により不安・恐怖を、Y字迷路試験により短期記憶を評価した。オープンフィールド試験では、Pg OMVs 投与群の中央滞在時間が、コントロール群(PBS 投与群)と比較し有意に短いことが認められた。Y字迷路試験では、自発行動量と交替行動率を評価したが、個体間のばらつきが大きく、両群間の有意な差は認められなかった。Y字迷路試験の実験環境の改善が必要であると思われた。今後条件を再検討して、解析を続ける予定である。 ②ヒト脳皮質由来のニューロン細胞株(HCN-2, ATCC CRL-10742)を入手し、培養を開始した。Pg OMV 存在又は非存在下での最適な培養条件を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Pg OMVの抽出方法や、Pg OMV投与マウスへモデルが確立した。オープンフィールド試験やY字迷路試験などの行動試験系が立ち上がり、条件設定を含め、実験が順調に進行している。神経細胞(ニューロン)の培養条件や、アルツハイマー症状の検出方法が確立した。
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今後の研究の推進方策 |
Y字迷路試験の際に、照度が一定でなく、結果に影響した可能性があるため、行動試験に影響を及ぼさない環境を作成し検討する。また、中年マウスだけでなくアルツハイマー病モデルマウスを比較対象とする必要があるかを検討する。培養したHCN-2にPg OMVを作用させ、経時的なAmyloid betaやTau蛋白質の発現を、ウエスタンブロット法や蛍光免疫染色法により検出する。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験が年度に渡って実施されたため、必要な試薬や機材の購入を次年度に持ち越した。
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