歯科インプラント治療において、早期のインプラント体脱落が散見されている。この問題に関する研究は不足しており、より慎重な埋入術式の確立が求められている。初期固定獲得のために選択されるアンダーサイズドリリング後のインプラント体埋入による骨内変化に関する研究をこれまで続けてきた。骨内変化を惹起する理由の一つを埋入時の発熱と考えている。埋入時の注水により発熱をどの程度抑えることができるかを確認するために動物実験を行った。インプラント体表面が湿った状況で埋入することにより骨内(インプラント体表面から1mm、骨表面から2mm深さ)温度の実測値が2℃程度低下した。高トルク埋入時の注水の有効性が示唆された。
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