炭酸アパタイトと広域の抗菌スペクトルを示す銀系化合物の併用は、骨再生と感染予防に有用である。本研究では、骨再生に影響を及ぼさないリン酸銀の最大無影響量の導出と、その結果に基づいて、炭酸アパタイトハニカム表面をリン酸銀修飾した。結果として、0.1 wt%リン酸銀を含有する炭酸アパタイトは、骨芽細胞の接着、増殖、酵素活性、石灰化に無影響であり、in vivoで炎症反応を伴うことなく骨再生することが明らかとなった。すなわち、リン酸銀の最大無影響量は0.1 wt.%であった。さらに炭酸アパタイトハニカム表面を0.1wt.%以下のリン酸銀で修飾すると、in vivoで骨再生と感染予防とを同時に達成した。
|