2021年度研究実績
In vitroではラットの上顎前歯を抜歯後、歯根膜由来 (rPDL)細胞をSPG-178上で培養し、共焦点レーザー顕微鏡 (CLSM)によるSPG-178内へのrPDL細胞の遊走や接着を観察した結果、伸長した細胞を多数認めた。 In vivoでは10週齢のWistar系雄性ラットの上顎第一臼歯近心に2壁性歯周組織欠損を作製した。欠損内にSPG-178を応用した群とUnfilled群に分け、各々にPTH全身投与・非投与の2群に分け、計4群を設定した。2020年度は術後2週での観察を行ったが、2021年度は術後4週で形態学的 (マイクロCT)、組織学的 (H-E染色)に検討した。その結果、PTH投与/SPG-178群では術後2週と比較してより顕著に新生骨様構造が認められた。 以上のことから、SPG-178は細かな網目状構造を持つことで、細胞増殖の足場として機能した。さらに、non-contained型欠損内では、SPG-178の作用により血餅が保持され、PTHとSPG-178の併用により歯周組織の治癒が促進することが示唆された。
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