• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実績報告書

味覚嫌悪学習における扁桃体中心核の役割

研究課題

研究課題/領域番号 20K23041
研究機関北海道大学

研究代表者

乾 賢  北海道大学, 歯学研究院, 准教授 (40324735)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2022-03-31
キーワード味 / 記憶 / 味覚嫌悪学習 / 扁桃体中心核 / 想起 / 嗜好性 / 恐怖 / 化学遺伝学的手法
研究実績の概要

口腔における感覚受容から摂食行動へと至る生理学的メカニムズを明らかにするために,味覚嫌悪学習の中枢神経機序を解明することを目指した.化学遺伝学的手法を用いて,扁桃体中心核の神経活動を促進あるいは抑制し,その時の動物の行動の変化を調べることを目的とした.
初年度は,マウス用の微細行動分析システムを作製し,味覚嫌悪学習の獲得によって摂取量の減少,バーストリック(高頻度リック)の出現回数と持続時間の減少がみられることを明らかにした.また,飲み口へ接近するもののリックしない行動(Entry-Stop行動)の持続時間が長くなることが分かった.これらの実験に並行して,ウィルスベクターの選定を行った.
最終年度では選定したアデノ随伴性ウィルスベクター(AAV8-hSyn-hM3Dq-mCherry)を野生型マウス(C57/BL6)の扁桃体中心核ニューロンに注入した.この動物に飲水訓練を行わせた後,条件刺激(0.2% サッカリン-Na溶液)と無条件刺激(0.3 M 塩化リチウム)の対呈示による条件づけを行った.テストにおいて,実験群には人工リガンドであるデスクロロクロザピン(0.05 mg/kg)を投与し,30分後あるいは90分後に条件刺激を15分間呈示した.対照群には溶媒(1% DMSO含有生理食塩水)を投与した.実験群は対照群に比べて摂取量の増加,バーストサイズの増大,Entry-Stop行動の増大を示した.バーストサイズは嗜好性の指標であるため,実験群では条件刺激に対する嫌悪が減弱したと考えられる.Entry-Stop行動は接近ー回避コンフリクト状態を示しており,実験群における増大は接近傾向の上昇あるいは回避傾向の低下を示したと考えられる.これらのことから,扁桃体中心核ニューロンは味覚嫌悪学習の想起において,条件刺激に対する嫌悪と恐怖に関与していることが示唆された.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] マウス扁桃体中心核ニューロン活動の亢進は味覚嫌悪学習における条件刺激への嫌悪を減弱し,接近行動を増加させる2022

    • 著者名/発表者名
      乾 賢,菊池 媛美,舩橋 誠
    • 学会等名
      第99回日本生理学会大会
  • [学会発表] 味の記憶は脳にどのように貯蔵されるのか:味覚嫌悪学習の中枢神経機序の解明2021

    • 著者名/発表者名
      乾 賢,舩橋 誠
    • 学会等名
      第63回歯科基礎医学会
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi