胎児期および出生後早期の低栄養環境が、成人期・老年期における生活習慣病のリスク要因となり得るというDOHaD説は、ヒトを対象とした出生コホート研究により実証されてきた。これまでの栄養評価は、主に出生時体重によってなされてきたが、出生時低体重の要因は早産、多胎、母体喫煙など様々であり、栄養状態の評価として体重だけでは不十分である。近年盛んに行われているゲノム解析に加え、過去の栄養状態を現時点で知るツールがあれば、DOHaD説の検証研究は飛躍的に進歩する。本研究により、胎児期、小児期に将来の健康寿命を予測できるようになれば、成人病予防を推進することに大きく寄与すると考えられる。
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