研究課題
フレイルには多面性があり、筋力低下や低栄養に代表される身体的フレイルや認知機能障害やうつ状態に代表される心理的フレイル、独居や経済的困窮に代表される社会的フレイルがある。口腔健康の問題が認知機能の低下や外出頻度の減少などの心理的・社会的フレイルへ影響を及ぼす可能性がある。逆に心理的・社会的フレイルが口腔の健康状態に影響を及ぼすことも十分考えられる。しかし、これまで口腔因子との関連を検討しているのは身体的フレイルがほとんどで、心理的・社会的フレイルとの関連を調べた研究はない。そこで、本研究では、2300名を超える70歳、80歳、90歳の自立した地域高齢者を対象として、口腔因子と、心理的・社会的フレイルとの因果関係を検証することを目的とした。2020年度は、COVID-19の影響により、予定していた80歳群に対する会場調査が延期となったが、これまでに調査に参加していたすべての者を対象に郵送調査を行い、現時点で1786名の回答が得られている。これまでに収集した口腔検査データから、口腔因子と心理的・社会的フレイルとの関連について検討を行った。心理的・社会的フレイルの厳密な定義はないため、心理的フレイルとして認知機能やうつの状態、社会的フレイルとして外出頻度や他人との交流回数を使用した。横断的に2変量解析を行ったところ、歯数や口腔機能などの口腔因子と心理的・社会的フレイルに有意な関連を認めた。
3: やや遅れている
COVID-19により、予定していた80歳群の会場調査の実施が次年度に延期となったため。
今年度は、感染対策を十分に行ったうえで、昨年度延期となった者および本年度調査予定であった者を対象に会場調査を行う。
COVID-19の影響により、2020年度の会場調査が延期となったため。
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