間葉系幹細胞(MSCs)は,その多分化能や免疫調節能から組織再生の要として着目されてきた.一方で,マクロファージ(Mφ)は自然免疫や組織恒常性維持だけでなく,炎症性Mφ(M1)から抗炎症性Mφ(M2)へと極性を変化することで過剰な免疫を調節し,組織再生を誘導する可能性が示唆されている.しかし,MSCsとMφが創傷治癒過程でどのように関わり,組織再生にどう影響を与えるかはほとんど明らかにされていない.この相互作用を明らかにし, 促進することにより,効率的な歯槽骨再生や,歯周病やインプラント周囲炎などの炎症性疾患の病態形成を抑制する新規治療法の開発に繋がると考えられた.
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