本研究では、プロポリスの生理活性物質であるCAPEを応用した新規歯髄保護療法の開発を目指し、歯髄細胞における歯髄炎の病態形成に関与するサイトカイン産生ならびに修復象牙質形成に関与するVEGF産生に対し、CAPEが及ぼす影響について明らかにすることを目的とした。 その結果、ヒト歯髄細胞において、CAPEは細菌関連因子であるPam3CSK4および炎症性サイトカインであるTNF-αによって誘導されたCXCL10の産生を抑制することが示された。さらに、CAPEはヒト歯髄細胞におけるVEGF産生を誘導することが明らかとなり、新規歯髄保護療法開発につながっていく可能性が示唆された。
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